長崎の「試合がない日も1万人」スタジアムの凄さ ジャパネット渾身のサッカー場だけじゃない"街"

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またグルメ以外にも「スノーピーク」「PUMA」「ニューバランス」などのショップがあり、ぶらりと眺めているだけでも飽きない。現地で見た限り、スタジアムの座席やコンコースに設置されたテーブルは、他にはまずない「サッカー場を一望できる巨大イートイン」や「ショッピング中の休憩スペース」として活用されているようだ。

こうして見ると、試合がない日のスタジアムや商業施設は、郊外の巨大ショッピングモールのようなまったりとした雰囲気がある。かつ、FIFA(国際サッカー連盟)が推奨する105m×68mの天然芝ピッチには太陽光が降り注ぎ、外周の商業施設に太陽光と開放感を与える「吹き抜け」(複数フロアにまたがる空間)のような役割を果たしている。

スタジアムがモールの「吹き抜け」の役割を果たしている

商業施設にとって、吹き抜け(スタジアム)は「空間を中心とした回遊行動」を上手く引き起こすアイテムでもある。来客がピーススタジアムのまわりをぶらぶら回遊すると、通販でおなじみのジャパネットHDが手掛けた施設だけあって、マーケティングでいう「非計画購買(衝動買い)」を誘発するグルメやショップが各エリアにあり、ついつい財布の紐を緩めてしまう……という仕掛けが、現地で見た感じではしっかりと発動しているようだ。

長崎スタジアムシティは「試合がない日も2~3時間程度滞在」するような方が多いそうで、ピーススタジアムは良い具合に「回遊の発生・滞留時間向上=滞在で消費する単価の向上」にも貢献している。

ただ、この吹き抜け(スタジアム)は、各地のイオンモール・ららぽーとなどでよく見る吹き抜けよりは巨大で用途も少ない。しかしそこは、週末にサッカースタジアムとして活用できるので、良しとしよう。

なお、スタジアムに商業施設を併設し、試合がない日も収益を稼ぐ手法は、プロ野球・北海道日本ハムファイターズの本拠地「エスコンフィールドHOKKAIDO」と同様だ。しかしゲーム非開催日のデータで比べると、エスコンフィールドの「平日4500人、休日1万人、観光客メイン」に対して、長崎は「平日でも1万人程度、県内の方が6~7割程度」とのこと。

敷地内にオフィスや学習塾などがあることを差し引いても、長崎スタジアムシティがとった「地元(長崎県)の方々にも来てもらう」施策が順調に受け入れられていることがうかがえる。

エスコンフィールドHOKKAIDO。球場外周のコンコースが飲食店街になっている(写真:筆者撮影)
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