この到底合理的とは言えない行動から浮かび上がるのは、「表に出せない金」ではなかったのかという疑念だ。そのためか、多額の現金が窃取されたにもかかわらず、被害届があまり出ていないという。
金融ビジネスに詳しい弁護士は、「一般には公正証書や不動産の権利書などを入れている事例が多いと考えられる」としたうえで、「相続時の資産をごまかすため、あるいは現金での報酬など課税対象となる所得をごまかすために格納しているケースはあるかもしれない」と話す。
今回の事件の舞台となったのは、前述のとおり都内2カ店で、そこにある一部の貸金庫を勝手に開けたものとみられる。わずか2カ店の一部貸金庫に十数億円近い現金があったことを考えれば、同行の全支店の貸金庫、さらには銀行全体の貸金庫にはいったいどれほどの現金が潜んでいるのか。
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