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20年後の診療科未来図、笑う医者・泣く医者は誰か 将来の医療需要を踏まえて大胆予測

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  • 真野 俊樹 医師・中央大学ビジネススクール教授

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(写真:PIXTA)
日本各地で深刻化している医師不足。しかし、日本国内の医師数は増え続けている。いったい何が起きているのか。本特集では、医師不足をはじめとした診療現場を取り巻く現実、その一方で盛り上がりを見せる美容医療、さらに医学部の最新事情を取り上げる。

ここ10年ほど、医療分野の話題がネット上で取り上げられることが多くなっている。それだけでなく医師をめぐるあれこれについての記事や投稿も目につく。例えば、医師になるにはどうしたらいいかとか、医師のライフプランはとか、医師は儲かるのか、といった内容だ。

なぜこうした話題がネットで盛んに取り上げられるのだろうか。理由の1つは、同世代で医師になる人が増えたことであろう。具体的にいえば、高校卒業生のうち、医学部に進学する割合が増えているのだ。

1990年度の高校卒業者は約180万人いて、医学部に進学したのは約8000人だった。これが2020年度には、高校卒業者は約100万人、医学部進学者は約9300人になった。つまり同学年の人口割合で医学部への進学者はおよそ2倍になり、医師がより身近な存在になっている。

医師への関心や人気が高まったのにはもう1つ理由がある。収入が安定している国家資格としての安定性だ。

1990年代以降、日本のメーカーは軒並み業績不振に陥り、リストラを余儀なくされた。優秀な理系高校生の進学先として工学部や理学部も人気があったが、製造業のリストラを目の当たりにして、学力の高い生徒は医師を目指すようになった。医学部人気は2010年代以降に加速し、私立医大を含めた入試偏差値は急上昇した。

間もなく医師過剰に

知的エリートで経済的にも恵まれている医師は将来も安泰であろうか。ベーシックに需要と供給のバランスで考えてみよう。

2020年に厚生労働省が行った推計では、その時点での医学部の1学年定員の9262人を続けた場合、遅くとも2033年ごろには医師の需給は均衡し、その後、人口減少に伴い、供給過剰に転じるとしている。

現在、医師の不足が指摘されているが、全体としては近い将来、過剰になる可能性が高い。医師が余れば給与も減ることもある。これは医師もほかの職業と同様に、医療ニーズや社会構造の実態に合わせて変化しないとまずいということかもしれない。

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