ライター必見「上手な文章」に欠かせない要素3つ 「12歳の子が読める文章」を目指すべき理由とは

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これを踏まえた上で、本稿ではノンフィクションにおいてプロとして優れた文章表現とは何かについて考えたい。要素を三つ挙げれば、次のようになる。

(『本を書く技術 取材・構成・表現』より)
1 万人に伝わる表現であること。
2 文章にリアリティがあること。
3 テキスト以上の世界を読者に想像させること。

最初の「万人に伝わる表現」というのは、プロとしては当然のことだ。

WEB記事にせよ、雑誌にせよ、本にせよ、それらはあらゆる人が読むメディアであり、専門知識を持っている人だけが読めるとか、特定のファンだけが満足するといったものであってはならない。

だが、ノンフィクションは科学や経済といった複雑な問題を題材にしたり、歴史や海外の出来事を扱ったりするため、書き手がついそこで使用されている言語を多用しがちだ。こうした作品は、幅広い読者を獲得することができない。

ノンフィクションの中でも売れている作家は、どんなにニッチなテーマを取り上げていても、万人に開かれた表現で本を書いている。小中高の教科書や入試問題に用いられているものもあるし、漢字にふりがなをつけただけで児童書として再刊行されているものもある。

12歳の子が読める文章を目指し、作品を磨き上げる

私が出した大人向けの著書もいくつか児童を対象としたシリーズになっているが、それは本を書く時に「12歳の子どもが読める文章」を目指しているからだろう。少なくとも表現に関しては12歳の子が最後まで読めて、理解できて、心を揺さぶられる体験ができるものにするように意識しているのだ。

これを言うと、「え? そんなレベルまで落とすんですか?」と驚かれることがあるが、考えてもみてほしい。

小説の好きな子なら、12歳だって村上春樹さん、宮部みゆきさん、三浦しをんさん、辻村深月さんらの作品を難なく読んでいる。文体も内容も大人向けなのに、普通に読める。

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