1. 人を身分や立場で差別しない
人間力を持つためには、他者を尊重し、見た目や表面的な情報で判断しないことが大切です。親が日常生活で他者を平等に扱い、職業や立場にとらわれずに接する姿を見せることで、子どもも偏見のない目で人を見ることを学びます。特に学力が高い子を高評価し、学力が低い子を低評価することもNGです。学力という表面的要素で人そのものを判断すると本質を見誤る可能性もあります。
2. 言葉を大切にする
言葉は人の心や雰囲気に大きな影響を与えます。励ましや感謝の言葉を積極的に使うことで、子どもは人を思いやる大切さを学びます。親が日常の中で人を傷つける言葉を避け、逆に「ありがとう」「楽しんでいるね」といったポジティブな言葉を使うことで、子どもも言葉の大切さを理解します。こうして家庭で使われている言葉を、子どもは学校やその他の場で自然と口にしています。できるだけ、家庭内では、愚痴不平不満などを控え、可能なレベルで構いませんので、ポジティブな言葉を使っていくことをお勧めします。すると、子どもは無意識にそのような言葉を口にするようになり、言葉を大切にするようになります。
3. 利他的な行動をとる
親が他者を思いやる姿勢を見せることも、子どもの人間力の育成には欠かせません。そもそも親はすでに、子どもに対して見返りを期待しない利他的な行動をしているかもしれませんが、重要なことはそれが「義務」で行うのではなく、相手の喜びを自分の喜びと感じる姿勢であるとなおさらよいと思います。それを子どもに感じさせるには、例えば、困っている人に手を差し伸べるとき、「相手の笑顔を見ると私もうれしい」と伝えることで、利他的行動が義務ではなく、双方の喜びにつながることを示していくとよいと思います。
子どもへの教え方の工夫
この3つの行動を子どもに直接教える際には、状況や方法に工夫が必要です。例えば、子どもが他者を差別するような発言をしたり、利己的な行動をとったりする場面では、すぐに咎めるのではなく、まずはその行動の意味を一緒に考える時間を持つことが大切です。問いかけを通じて子どもの心に「他者を大切にすることの大切さ」をしみこませていくのです。幼少期には絵本や昔話を通じて教える方法も効果的で、成長に応じて日常の出来事や社会のニュースなどを話題にしてもよいでしょう。
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