では、心の側面を持つ人間力とは具体的にどのようなことを指すのでしょうか。筆者は次のように捉えています。
人間力とは「大切にできる力」のこと
大切にする対象は、物、人、生き物、心、言葉、社会、雰囲気、自分自身、地球環境です。
例えば、人を大切にする人は、他者からも大切にされます。人は1人で生きていくことはできません。誰かの助けがあり、誰かとの協力によって自分が生かされています。そのときに、他者を大切にできない人は、いずれ自分も誰かから同じような扱いを受ける可能性が高いです。これを心理学で「返報性の原理」と言います。
筆者の経験ですが、これまで出会ってきた、いわゆるその道の一流と言われている人たちは出会った人を大切にします。それも身分などに依らず分け隔てなく同じように接し、話をします。一言で表現すれば、「公平に人を大切にできる人」です。そのような人にはたくさんの協力者がいて、人生を楽しみ、幸せに生きています。
そのような生き方ができる子どもに育てるには親はどのように子どもに接していけばいいでしょうか。
<子どもの人間力を育む親の3つの行動>
人間力を高めるために、親が意識して次の3つの行動を実践してみてください。子どもは、親の言動の影響を受けて育つ傾向があるため、子どもに直接、「〇〇のような人間になるように」とは言いません。子どもは親の言うことは受け入れませんが、親のやっている通りのことをやると言われています。ですから、まずは親が日々の生活の中で自ら実践していくことが大切であると考えます。
もちろん、親は聖人君子ではありません。人間です。完璧にできるわけではありません。しかし、心がけることはできると思います。そのような“姿勢”を子どもは日常生活の中で、無意識に感じ取っていきます。その結果、その影響を受けた子どもは幸福な人生を送る土台を日々着々と築いていくことになります。
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