中国の新興電池メーカーがドイツ工場の建設中断 SVOLT、国内市場の過当競争で投資余力乏しく

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SVOLTのドイツ工場は、なぜ建設中断を余儀なくされたのか。

「先行投資として300億元(約6417億円)が必要であり、SVOLTの企業規模では負担が大きすぎる。ただでさえ中国国内の(過当競争で)経営環境が厳しい中、海外工場への投資を続ける余裕はない」

前出の関係者はそう述べ、SVOLTの財務事情が原因だと説明した。

SVOLTの楊紅新・会長兼CEOは野心的な成長計画を掲げていたが、2023年末の上場断念に続いて海外戦略も軌道修正を余儀なくされた(写真は同社ウェブサイトより)

別の関係者も、建設中断の原因はドイツ政府の(保護主義的な)政策や技術的課題などの外的要因ではなく、SVOLTの先行投資が過大だったために追加資金の調達が難しくなったことにあると指摘する。

「現時点ではあくまで工事の“一時休止”だ。まずは資金確保の問題を解決する必要がある」。この関係者はそう話し、先の関係者よりも多少楽観的な見方を示した。

CATLのドイツ工場も赤字

SVOLTの現状は、ヨーロッパに進出した中国の車載電池メーカーの“縮図”と言える面もある。世界最大手の寧徳時代新能源科技(CATL)でさえ、同社のドイツ工場の黒字化をまだ達成できていないからだ。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

ある国際的なプライベートエクイティ(未公開株)ファンドで新エネルギー分野への投資案件を担当するマネジャーは、問題の本質を次のように指摘した。

「ヨーロッパで工場建設を進める中国の電池メーカーは、先行投資が大きい一方でコストをコントロールできていない。建設工事や各種の許認可取得にも時間がかかり、投資回収までの期間が長すぎる」

(訳注:SVOLTは10月28日、ヨーロッパ子会社の業務を2025年1月末に終了すると発表した)

(財新記者:蘆羽桐、屈運栩)
※原文の配信は10月24日

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