「重くて、遅い」パナソニックはAIで変貌できるか 18万人規模で導入し現場主導の企業文化を目指す

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パナソニックグループは積極的にさまざまなAIを活用している。それが「重くて、遅い」企業から「軽くて、速い」企業に転換するためのツールになると、楠見グループCEOは信じている(筆者撮影)

「重くて、遅い」企業体質の改善

「AIは、重くて、遅いパナソニックグループを、軽くて、速い会社に変えることができる」──パナソニックホールディングスの楠見雄規グループCEOは、AIを企業変革のツールに捉えている。

パナソニックグループは、長い間、「重くて、遅い」という言葉が、悪しき代名詞に使われ、その体質は、楠見グループCEOが指摘するように、今でも残る。

中期計画の未達やPBR1倍割れといった成長戦略の遅れは、重くて、遅い企業体質の改善が進んでいないことに起因しているのは明らかといえよう。

楠見グループCEOは、「30年間成長しなかったパナソニックグループは、その間、厳しい業績から脱却するために、上司は次々と指示を出し、現場の社員はそれを実行することに力を注いだ。それが仕事だと思っていた。自分で知恵を出し、創意工夫する仕事をしてこなかった社員が、いまは部長や事業部長になっている。上位下達の文化はいまでも残っている」と語る。指示を出すまで、現場が動かないことが「重くて、遅い」と言われる企業体質のベースにある。

楠見グループCEOは、オートモーティブ事業を担当した際、トヨタ自動車の企業文化に触れて驚いたという。

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