タスク管理「忘れてOK」が大事である納得の理由 「チームワークマネジメント」で本来業務に集中
「忘れてもOK」な環境が、業務効率を上げる
ビジネスパーソンの多くは、タスク管理の重要性を日常的に感じていることだろう。タスク管理が不十分だと、業務の優先順位があいまいになり、無駄な作業や確認作業が増えてしまう。効率的かつ緻密なタスク管理は、仕事の成果を上げるための必須スキルだ。
しかし、企業規模や職種を問わず共通している課題は、タスクの見落としや進捗管理が不十分であることだ。
ヌーラボが1000人以下の従業員規模の企業・団体に勤める経営者・役員・会社員でタスク管理ツール以外の方法でタスク管理をしている人を対象に行った調査(※)では、全体の51.9%がタスク管理について「改善の余地がある」と答えている。
※出所:ヌーラボ「『タスク管理の現状や課題』に関する調査」2023年10月実施
具体的には、「タスクの見落としを防ぎたい」「やるべきことを明確にしたい」といった個人的な課題と、「チーム内の上司とのタスク進行状況を効率的に共有したい」という組織単位でのニーズが挙げられている。ヌーラボの笠町拓矢氏は、次のように考察する。
「リモートワークやハイブリッドな働き方が一般化する中で、タスクの進捗状況が見えにくくなったという声が増えています。チームメンバーがどのタスクに取り組んでいるかが明確でないと、進捗確認のために無駄なやり取りが発生し、結果的に業務効率の低下につながります」
可視化ができていないことで、多くの間接コストを発生させてしまう。こうしたコストは、企業全体で見るとかなりの損失になっているはずだ。
「だからといって、タスクを全部覚えておく必要はありません。むしろ、忘れてもいい環境を整えることが、真の業務効率化につながります。
ビジネスの現場では、つねに数多くのタスクが進行しています。それらすべてを頭の中で管理することは、集中力や判断力の低下につながり、個人の認知リソースを圧迫させます。また、ストレスの原因にもなります」
そこで、タスク管理ツールやシステムを活用して「忘れてもOK」な環境を整え、重要な業務に集中させようというのが、笠町氏の提言だ。
「膨大なタスクを記憶し続けると、情報が過剰に蓄積され、重要な判断やクリエーティブな仕事に集中する余力がなくなってしまいます。一方で、複雑化・多様化するタスクをすべて手動で記録し続けることは非効率的。
そこでITツールを活用して、タスクを可視化し、必要な情報を管理することが有効です。より重要な業務に思考を集中させたり、戦略的な判断にエネルギーを注いだりできるようになるでしょう」
「あの仕事の期限はどうなっている?」「このタスクは終わったかな?」といった小さな心配事を解消できれば、タスク管理のストレスも減るだろう。
「組織全体でタスク管理を最適化すれば、業務効率も向上する。タスク漏れを防ぐだけでなく、余計な確認作業やリマインダーの必要がなくなり、社員全員が本来の仕事に集中できる環境が整います。これこそが、真の『効率化された業務環境』です」
業務の可視化でチームの無駄な作業を減らす
業務の可視化ができていない企業では、報告作業自体が仕事として扱われることが少なくない。
「報告するのも仕事の一部ではありますが、それが仕事の大部分を占めてしまうともったいない。とくに縦割りの文化を持つ企業では、業務報告や進捗共有などに時間を割いているために、より生産的な議論や意思決定に割ける時間が少なくなっているケースが珍しくありません。
より効率的なタスク管理を行うためには、マネジメント層が現場の課題を拾い上げ、進捗状況をリアルタイムで把握できる仕組みを導入すること、そして担当者もタスク管理を自分事化すること。組織全体の効率化を図るには、この2点が重要です」
ヌーラボが提供するタスク管理ツール「Backlog」は、この環境を実現する一手となりうる。
「Backlogの魅力は、タスク管理を可視化し、誰が何を担当しているのかを正確に把握できる点です。これにより、チーム内でのコミュニケーションが円滑になり、無駄な確認作業を削減できます。特定のメンバーに依存することなく進行できるため、属人化を防ぎ、効率的なチーム運営が可能になります」
Backlogは、個々のタスクを簡単に管理できるツールとしても活用されている。
「タスクを『課題』として登録することで、チームメンバー全員が個別のタスクを一目で確認でき、自分がどのタスクを抱えているのか、進捗状況や優先度をリアルタイムで把握できます。タスクが完了した際にも次に取り組むべき業務が明確になるため、効率的に作業が進められます」
こうしたサービス特性を支えるのが、ヌーラボが提唱する「チームワークマネジメント」の概念だ。これは、所属やスキル、価値観の異なる多様な人材が1つのチームで働く際、1つの目標に向かって共に協力するための手法である。
「人材の流動性や組織の多様性が高まっている今、マネジャーだけでなく組織の構成メンバー全員に、チームワークマネジメントの概念が求められています。軸は、明確な目標設定と、役割分担、リーダーシップの3要素。これらを備えた組織にして、柔軟なチームをつくる必要があります」
パフォーマンスを引き上げるBacklogの活用術
Backlogの活用は、仕事の属人化を防ぐことにもつながる。なぜなら、タスクを一元管理することで、特定のメンバーに依存することなくチーム全体で情報を共有しながらプロジェクトを進行させられるからだ。
仮に担当者が変わっても、スムーズな引き継ぎが可能になる。これは単なる業務効率化にとどまらず、組織全体のDXやナレッジシェアにも寄与する。
「中長期的にBacklogを使い続けることで、組織全体の知見が蓄積され、将来的な経営判断や施策に活用できるようになります」と笠町氏は強調する。
「Backlogに蓄積されたタスク管理のデータは、成功・失敗のいずれにしても問題解決策の事例であり、知見として活用できます。これにより、同様の課題への迅速な対応が可能になるほか、新メンバーや他部署のメンバーにもナレッジをシェアできます。
また将来的には、データを基にAIを活用することで、事業の最適化や効率的な経営判断ができるようにもなるでしょう」
ビジネスにおいて、タスク管理は個人と組織全体の業務効率を左右する重要な要素だ。タスクを「忘れてもいい状態」にすることで、限りあるリソースをより本質的な業務に集中させ、全体のパフォーマンスを向上させられる。
このように業務プロセスを可視化し、全体の効率化を進めることは、DXそのものだ。Backlogの活用でタスク管理の基盤を整えることは、企業の持続的な成長と競争力向上に寄与するだろう。
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