気づけば「自分に厳しい道を選ぶ人」が陥る思考 マラソンに挑戦しながら、聞こえてきた心の声

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この旅の間じゅう、道路が私の道連れだった。ともに過ごす時間が数分から数時間になり、数日になり、さらに何週間にもなるにつれて、私は道路とかなり親密な関係を築いた。とはいえ、対話はたいてい一方的だった。

道路が際限なく話しつづけるのに、私はだいたい黙っていたかったからだ。

私の過去、未来、そして現在についての質問を道路が投げかけてくる。私のさまざまな過ちや間違いを掘り起こし、過去の判断ミスや失敗を振り返るように誘う。

それでもときどきは、まるで別世界から来た賢者のように、私の心理パターンや潜在意識に関わる啓示をご褒美のように与えてくれる。これが巡礼の旅というものだろう──何度も試練に見舞われながらも、じっくりと考え、より深いレベルで自分自身を知るための時間がたっぷりある。

自分に厳しくするほうが簡単

自分のアイデンティティにかかったベールがしだいに薄くなるにつれて、いつもの思い込みを抜け出し、本当の心の声が聞こえてくるのだ。

自分に厳しくするほうが簡単だった。

12日目にも、そういう瞬間がやってきた。あるとき道路が(それまではほぼずっと、口数少なく感じよく伴走してくれていたのだが)突然、言いたいことを言おうと思ったらしく、「あそこの次のカーブが見える?」と聞いてきた。

「きみはここまでずっと、好奇心と勇気で次々とカーブを曲がってきた。だけどね、曲がっても曲がっても、必ずまだ走る道があるんだ。次のカーブの後は、また次のカーブがある。ずっと永遠に走りつづけて、探しつづけることができると思っているわけ?」

少し間を置いてから、私の(道路になりすました)内なる声はこう続けた。「痛みが終わるのは、それをきみが終わらせたときだ」。その瞬間、それまでの人生のさまざまな(とくに恋愛にかかわる)場面が走馬灯のように頭に浮かんだ。そしてハッと気づいた。たった今聞こえた自分の潜在意識からのメッセージが、私がずっと探していた答えへのカギを握っているのだと。

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