米大統領選挙をも動かす「ビットコインマネー」 トランプ氏が"仮想通貨大国"にすると宣言

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「心変わり」に2つの大きな狙い

トランプの心変わりには2つの大きな狙いがあると推測される。

1つ目の狙いは、純粋な選挙戦略だ。米連邦準備制度理事会(FRB)が今年5月に発表した23年度の年次家計調査によると、米国の成人で仮想通貨を所有または使用していることを報告した人数は約1800万人。米国の有権者人口は約1.6億人といわれており、有権者の10%強は仮想通貨に関心があるといえる。

仮想通貨運用会社のグレイスケールによれば、有権者の3人に1人が、大統領選候補者の仮想通貨に対するスタンスを考慮して投票すると答えている。仮想通貨に好意的なスタンスを示すことで、トランプは選挙戦における競争優位性を上げようとしている。

選挙予算の獲得でも効果は大きい。今年7月に業界への支持を表明する前後、暗号資産交換所のジェミナイを経営するウィンクルボス兄弟それぞれから15.47BTCずつ(合計約2.6億円、BTC=ビットコインの単位)、デジタル資産セキュリティー会社・ビットゴーのマイク・ベルシュCEOから5万ドル(約700万円)の献金を受け取っている。

もう1つの狙いは、政策面だ。トランプはビットコインマイニング(採掘)を全面的に支持することで、雇用の創出や電力網の強化を目指し、米国のエネルギー、ひいては産業の競争力を引き上げようとしている。ビットコインのマイニングについては、莫大な電力を消費することが知られているが、その需要によってエネルギー産業を活性化させる狙いがある。トランプは化石燃料擁護派でもあり、これによって業界からの支持を得ようとする思惑も見え隠れする。

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