健康長寿のためには「中の上」あたりの地位がいい ストレスを感じるCEOは加齢が速いという衝撃

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さまざまな研究や調査から、社会的な序列が低いと健康に著しく悪いということがわかっており、地位が低いと早く亡くなることを示している。

ところが、支配に向かって個体が位を上げるにしたがって、状況は混沌(こんとん)としてくる。

階級制の上層では、権力、支配、階級、健康状態の間にはるかに複雑な相互作用があることを、さまざまな調査が指し示しているようだ。それでも、地位が高いと悪い健康状態から現に守られると言ってよさそうに見える――ただし、ある程度まででしかないが。

自分の運命を支配する力があまりないままに高い地位に就いていると、体を害しうる。危機に際して高い地位に就いていると、加齢が速まり、早死にしかねない。

そして、アルファの地位にあると――つまりたった独りで頂点に立っていると――健康が台無しになる場合がある。特に、その地位から引きずり下ろされるリスクが現実のものであるときには。

CEOたちは、いつクビにされるかと絶えず心配している人もいれば、地位が安泰な人もいる。ストレス要因は多種多様なので、人間にとって権力が健康に及ぼす影響には大きな違いが出る。

「中の上」あたりの地位がちょうど良い

それはともかく、権力がなさ過ぎたりあり過ぎたりすると、健康を害する可能性がある一方、社会的な階級の「中の上」あたりまで上るとちょうど良い場合が多いことが、証拠から窺われる。

そうは言うものの、けっきょく自分は昇進を本当に望んでいるのかどうかを再検討しはじめる前に、1つ朗報がある。

不確かさのせいでストレスを感じている地位の低い労働者であろうと、パンデミックの影響に耐えている地位の高いCEOだろうと、ただ生き残ろうとしているだけの麻薬の大物密売人だろうと、権力がなさ過ぎたりあり過ぎたりするせいで健康が蝕まれることから身を守る方法がある。

(翻訳:柴田裕之)

ブライアン・クラース ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン准教授

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Brian Klaas

ミネソタ州で生まれ育ち、オックスフォード大学で博士号を取得。現在はユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンの国際政治学の准教授。『アトランティック』誌の寄稿者で、『ワシントン・ポスト』紙の元ウィークリー・コラムニスト。受賞歴のあるポッドキャストPower Corruptsのホストを務めている。個人のホームページはBrianPKlaas.com、Xのアカウントは@BrianKlaas。

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