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なぜ日本はアメリカとこんなにも違うのだろうか 日銀会合とFOMC後の会見でわかる社会の違い

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  • 小幡 績 慶応義塾大学大学院教授

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12日に終了したFOMC後の記者会見。日銀金融政策決定会合後の記者会見と比べると、日米の違いがわかるかもしれない(写真:ブルームバーグ)

「なぜ、日本はアメリカとこんなにも違うのか?」

いきなりこんなことを書くと、「オバタはまた何を言い出すんだ、そんなものは当たり前だろう」と言われるだろうが、しかし、なぜだ? 

FOMC後の記者会見で驚いた「3つのこと」とは?

この連載は競馬をこよなく愛するエコノミスト3人による持ち回り連載です(最終ページには競馬の予想が載っています【2024年1月5日編集部追記】2024年1月1日、山崎元さんは逝去されました。心から哀悼の意を捧げ、ご冥福をお祈りします)。記事の一覧はこちら

それは、中央銀行の金融政策決定会合後の記者会見の質疑を見ればわかる。

今週はまず11日~12日にFED(アメリカの中央銀行)のFOMC(連邦公開市場委員会)があり、12日の14時半(日本時間13日3時半)から、ジェローム・パウエルFRB(連邦準備制度理事会)議長の記者会見が行われた。

アメリカは常に自由でオープンでフェアだと思われているが、実態はまったく異なる。この記者会見でも、必ず有力記者から順番に質問を受ける。記者たちは自信満々に、時には攻撃的に、しかし、専門的に的確にパウエル議長を追い詰めるから、ここでの迫真の議論は大変興味深い。日本銀行の会見では認められていない「更問(さらとい)」=「follow up question」も1回まで認められており、ほとんどの記者がこれをするから、パウエル議長も言い逃れ答弁はできないのだ。

さて、12日の記者会見では、いつもと違う驚くべきことが3つあった。1つ目は、私が大のファンであるニューヨークタイムズのジーナ・スミアレック記者(ちなみに彼女はニューヨーク大学経営学修士の資格を持つ)が、更問をしなかったことだ。なぜか、質問に元気がなかったし、少し心配だ。

2つ目は、日本の記者が質問したことだ。これは、私が会見を見だしてからは初めてのことだった。史上初ではないと思うが、実は、FOMC後に記者会見が行われるようになったのは比較的最近のことで、2011年4月からである。しかも、年8回のFOMC後毎回会見となったのは2019年からで、それまでは年4回だった。

前述の通り、質問は有力記者から当てられるのが通例で、記者たちは必ず質問するから、他国の記者などの「マイノリティ」(人種という意味ではなく)には、ほとんど質問の機会はないし、初顔はほとんどないのである。

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