中国不動産大手・万科、「新本社予定地」を赤字売却 流動性確保に聖域なし、買い手は深圳市政府系

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「わが社の現在の優先課題は、リスクを避けて経営基盤を補強し、長期的かつ健全な発展を図ることにある」

万科の董事会主席(会長に相当)を務める郁亮氏は、4月30日に開催した年次株主総会でそう強調し、対策の第一段階として事業の徹底したスリム化を進めると宣言した。

万科の郁亮・董事会主席は、資金繰り確保のため非中核事業の資産売却を急いでいる(写真は同社ウェブサイトより)

具体的には、今後の事業を住宅開発、不動産管理サービス、賃貸住宅の3分野に絞り、オフィスビルや商業施設などの非中核事業の清算や譲渡を急ぐとしている。

市政府の決意表明の一面も

今回の新本社ビル用地の売却も、上述のスリム化の一環にほかならない。同社は5月27日付の声明のなかで、この取引が資産ポートフォリオの適正化や資金繰り改善に寄与し、中核事業への集中にも有益だと説明した。

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その一方、この土地を深圳市政府直系の国有企業が買い取ったことは、市政府が万科(の経営破綻回避)を支える“公約”を果たすという、事実上の意思表明と受け止められている。

万科が2023年10月末に最初の信用不安に直面した際には、深圳市国有資産監督管理委員会のトップが同社をサポートすると公の場で発言し、市場の動揺の沈静化を図った。だがその後、市政府による資金面での支援に大きな進展はなく、万科は資金繰り悪化が続いていた。

(財新記者:陳博)
※原文の配信は5月28日

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