今年もまた繰り返すの?財政検証後の年金叩き 5年前に「答え」を書いた資料をいまだ放置
ここでクイズを1つ。
5年前の前回の財政検証が行われた2019年に20歳だった人が、2019年時に65歳の人たちと同じ年金の給付水準になるためには、いったいいつまで働いて保険料を納めればいいと思いますか?
ほぼ100%が悲観的に間違える
この質問に対しては、ほぼ100%の人たちが間違えてくれます。70歳との答えはマシなほうで、90歳だ100歳だとかそれ以上と答える人も出てきます。ところが、答えは66歳9カ月。それを示したのが、資料4の「足下(2019年度)の所得代替率(61.7%)確保に必要な受給開始時期の選択」でした。
2019年に65歳だった人が、20歳から60歳0カ月まで就労して保険料を納付し、65歳0カ月から年金を受給し始めると、現役時の所得に対する所得代替率61.7%の給付水準の年金を受け取ることができます。
そして、1999年生まれの2019年に20歳だった人が、上と同じく、20歳から保険料を拠出して60歳0カ月まで就労して、65歳0カ月から受給し始めると、マクロ経済スライドの調整もあり、彼/彼女の年金給付水準は所得代替率50.8%になる。表は、そういうことを示しています(詳細は、資料4の10ページをご覧ください)。
しかしですね。所得代替率が50.8%になるその彼/彼女が、2019年に65歳になった人と同じ所得代替率61.7%を得ることができるのは、66歳9カ月まで働いて保険料を拠出すればいいわけです。
2019年に20歳だった人(今は25歳)が今の高齢者たちと同じ給付水準の年金を受け取ることができる66歳9カ月になる未来までには、40年近くあるわけですね。40年先の話なのですから、労働市場をそのように変えるのは、そう無理な話ではないように思えます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら