シングル化を招く「柔軟性のない結婚と家族制度」 地方圏で根深く続く「伝統的結婚慣習や家意識」
地方圏において根深く続く伝統的結婚慣習や家意識は、20代の女性にも影響を及ぼし、受け入れがたいものとして感じられていることが伝わってくる。少子化の第一の原因が非婚化にあることが明らかになった近年、とくに、伝統的家族規範が残り、また深刻な人口減が続く地方圏では、結婚への圧力がより一層強くなることが予想される。
地方圏から東京区部へ移動する人々の心の中には、結婚の画一性からの脱却とライフスタイルの多様性への渇望があり、そうした考えを許容する環境が大都市圏にはある。彼女たちにとって東京区部はアジール(避難所)であり、それは今後も続くことが予想される。しかし……。
親との親密圏に向かうミドル期シングル
一般的に親密圏には変化のきざしが見られるとはいえ、依然として制度中心的な関係性が強く、家族制度や結婚制度から外れる親密な関係性が広まっているとはいえず、承認・保護する度合いも弱い。ミドル期シングルの女性は男性より、ひとり暮らしに適応し満足している。
というのは、女性はひとり暮らしに伴う経済的不安、孤独、犯罪に巻き込まれる不安、病気の不安を男性以上に感じやすい分、親やきょうだいと頻繁に連絡をとって、親子関係を軸に親密圏を築いている。しかも、友人や知人の数は男性を上回っていて孤立状態にある人がより少ないからだ。
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