空室率の上昇に歯止めがかからないのは、賃貸オフィスの新規供給よりも需要縮小の影響が大きい。
サヴィルズのデータによれば、2023年10~12月期に新たに貸し出された面積から退去により返却された面積を差し引いた「純吸収面積」は、北京市内の5大オフィス街でも北京市全体でもマイナスだった。
なお、一部の企業がオフィスの借り増しや引っ越しを2024年1~3月期に実施したため、同四半期の北京市の純吸収面積は3万1000平方メートルのプラスに転じた。
これは主に国有企業を中心とする中国資本の動きだ。ジョーンズ・ラング・ラサールの調査によれば、1~3月期に成約した賃貸契約の9割以上が中国資本によるもので、外資系はごく一部だった。
需要不足で停滞が長期化
サヴィルズのデータによれば、1~3月期の純吸収面積の増加により、北京市のAクラスオフィスビルの3月末時点の空室率は(2023年末時点より)0.2ポイント改善して20.2%となった。とはいえ、20%を超える空室率が歴史的高水準であることに変わりはない。
中国の景気の先行きが不透明な中、企業は総じて賃貸オフィスの新規契約や借り増し、借り換えに慎重だ。不動産サービス大手のコリアーズ・インターナショナルで調査部門の責任者を務める陸明氏は、財新記者の取材に対して次のような見方を示した。
「賃貸オフィスに対する有効需要の不足が、今後も長期にわたって北京のオフィスビル市場を停滞させるだろう。空室率は20%を超える状況が当分続きそうだ」
(財新記者:牛牧江曲)
※原文の配信は4月12日
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