名門女子校校長の「品格ある生き方」のための教え ニュースキャスター国谷裕子さんこそがお手本

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品格のある女性というと、有名無名を問わず、何人ものお顔がすぐに思い浮かびます。

親しくおつきあいさせていただいている方もいれば、一度の出会いで強烈な印象を残した方、本や映画、音楽などをとおしてその人生や作品に触れて憧れている方もいます。そんな女性たちの生き方は、前に進む勇気を与えてくれます。

そのなかでも、実際にお会いしてそのあり方に感銘を受けたのが、ニュースキャスターの国谷裕子さんです。

国谷さんは23年間にわたって、NHK「クローズアップ現代」のメインキャスターとして活躍されたので、ご存知の方は多いでしょう。

真摯に向き合う姿に感銘

わが校の創立70周年記念日に、国谷さんをお招きしたときのことです。

当日は、前半がSDGsをテーマにした生徒たちとの討論会。後半が国谷さんの講演というプログラムでした。テレビで拝見するのと同じ聡明さはさすがでしたが、感動したのは、何十歳も違う生徒たちと真摯に向き合う姿です。

登壇した生徒たちの発言をしっかり受け止め、同意できないところがあれば、「私はこう考えます」「それは考え直す余地があるのではないでしょうか」と率直に指摘する。

「まだ高校生だから」と手加減したり迎合したりせず、鋭い指摘も含めて、直球で相手と向き合う姿勢が清々しく、これこそ、品格あるあり方だと思いました。

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また、ていねいに対応してくださる言葉遣いの1つひとつにも気品を感じました。

一方、普段テレビでみている著名人に対しても臆することなく、堂々と自分の考えを述べる生徒たちにも頼もしさを感じ、うれしく思ったものです。

以前、「礼儀正しいことは親切なことです」という言葉を、先輩から教えていただきました。

どんなに社会や技術が進化しても、人として礼節を尽くし、相手を大切に思って接する。その姿勢が、親切であることにつながり、結果的に、お互いが助けあい励ましあう幸せな関係につながる。そういった意味だととらえています。

年齢や肩書、性別にとらわれず、節度をもって、どんな相手にもフラットに、そして率直に接する。そのような品格ある振る舞いを目指したいものです。

神垣 しおり ノートルダム清心中・高等学校校長 NGOサラーム(パレスチナの女性を支援する会)代表

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かみがきしおり / Shiori Kamigaki

広島県出身。ノートルダム清心中・高等学校卒業後、広島大学教育学部在学中に、香港大学人文学部留学を経験し、国際協力・支援も志す。広島市立中学校教員(臨時採用)を経て、1983年よりノートルダム清心中・高等学校社会科教員として勤務。仏教大学通信制により、宗教科の免許取得後、2004年より宗教科も担当。渡航した友人の後方支援としてNGOを立ち上げ、約30年間、パレスチナの女性が刺繍した製品販売を支援する活動にかかわる。

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