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キャリア・教育 #深掘り!医学部入試の知られざる世界

絵を描く入試問題は、学生のここを見ている 「身近な動物」を描けない子どもが増えたワケ

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(写真:xiangtao / PIXTA)

過去に出題された医学部の入試問題に、以下に紹介するような珍しい問題がある。ご自身、あるいはお子さんと一緒に取り組んでみて欲しい。

【問】われわれにとって身近な動物であるニワトリとハエの全体像を、形態・構造上の特徴に留意して、できるだけ正確に描きなさい。ニワトリは雄を側面から、ハエは背面からそれぞれ描くこと。ここでは絵の巧拙を問わない。

 

私は高校生、浪人生向けに「医学概論」という講義を担当しているが、数年前の冬に30名ほどの医学部志望の受験生にこの問題を出題して、反応を見たことがある。

医学部入試でなぜこんなことを問うのか、疑問に思われる方が大多数かもしれない。だがそれは、実際に生徒たちの回答を見てみると、ある程度腑に落ちるところがあると思う。

入試で絵を描かせる狙いは?

20分ほど時間を与え、ニワトリとハエの絵を描いてもらい、その後全員の絵を回収した。そして描かれている絵を精査して、私は大変驚いた。どう見てもニワトリとは言えない、また、ハエとは言えない絵が、いくつも混じっていたからである。

笑ってしまったのは、ニワトリの足が4本、ハエの足が8本の絵を目にした時である。これはどう考えてもあり得ない。ほかにも、まるでペガサスのように背中からたてがみがフサフサと生え、巨大な馬のように描かれているニワトリまであった。

なぜこのようなことが起こるのか。出題した大学側も、件の問いの次にある問いの冒頭で、以下のように述べている。

この問いでニワトリとハエの絵をあなたに描かせたのは、最近大学生でも、ごく身近な動物などを正しく描けない者が、相当数いることが明らかになったからである。

 

なるほど、出題の背景には、ある意味「予想通り」の狙いがあったのかと合点がいったが、これは由々しき事態でもある。

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【絵から読み取れることとは】

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