「ホンダ系3社が集まったのは全く偶然だった」と関係者は口をそろえるが、3社に共通していたのはEVシフトやソフトウェア領域の拡大といった自動車産業構造の変革への強い危機感だ。
世界的に進むEVシフトの流れから、ホンダは2040年に世界で売る新車をすべてEV・FCV(燃料電池車)にする脱エンジン目標を表明済み。こうした流れの中、ホンダは系部品メーカーの選別を進めている。
2022年にはホンダロックがミネベアミツミに買収され、今年7月には八千代工業がインドのサンバルダナ・マザーサン・オートモーティブ・システムズグループの傘下に入ることが発表された。いずれもホンダの子会社であり、ホンダによる系列売却ということになる。
「脱ホンダ頼み」に提案力や開発力を磨く
ホンダ幹部は「サプライヤーには5年くらい前からホンダ以外の客先開拓や新領域開発をするように伝えている」と話す。ホンダ系部品メーカーの多くは新たな収益の柱を探そうと奔走するが、提案力や開発力が足りないのが現実だ。
メタックスに参加した都筑製作所の栗田有樹社長は「開発力をつけなければ今後生き残ることはできないと考えていた」と振り返る。
1944年に長野県坂城町で創業した都筑製作所とホンダの関係は1952年の2輪部品の取引開始にさかのぼる。その後は4輪も含め、主要サプライヤーとしての地位を築いてきた。売上高の5割を占める自動車事業はガソリン車向けのトランスミッション(変速機)や足回り部品が中心。トランスミッションはEV化で縮小が確実視されている部品の1つである。
都筑製作所の自動車部品事業は、自動車メーカーから図面を受け取り、切削などの加工を施すことで部品に仕上げる“賃加工”が大半。自社で設計や開発をする要素は少なく、裁量も限られる。
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