「子どもは作らない」…結婚前の合意は絶対か 口約束を破った妻との離婚、成立する?

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「民法754条では、『夫婦間でした契約は、婚姻中、いつでも、夫婦の一方からこれを取り消すことができる』とされています。『子どもを作らない』という約束を破る趣旨のことを妻が述べているからといって、直ちに離婚できるという結論にはなりません」

柳原弁護士はこのように切り出した。ただ、今回の「約束」は、お互いの人生に大きくかかわってくる内容に思えるが、今回のケースでも難しいのだろうか。

根源的な考えや欲求にかかわる問題

「『子どもを作るか作らないか』という問題は、夫婦の家族計画としてはもちろん、人間としての根源的な欲求や考えにかかわる問題です。心変わりした場合には、夫婦でよく話し合いをする必要があるでしょう。

話し合いをしても、意向が一致しなかった場合には、根本的なところで考え方の違いが埋まらず、円満な婚姻生活を維持するのが困難になったと言え、離婚理由になりうるでしょう。

ただ、それはあくまで『結婚前にした約束を破ったから』という理由で離婚できるという意味ではなく、婚姻生活の中でお互いの考え方が変化し、相容れなくなったからという点で検討するべきものと考えます」

妊娠出産には年齢もかかわってくる。相談者夫妻の場合、互いの人生のためにも、早めの決断がよいのかもしれない。

柳原 桑子(やなぎはら・くわこ)弁護士
1998年弁護士登録 第二東京弁護士会所属。離婚事件・遺産相続事件などの家事事件、破産事件、不動産関係事件等を中心に、民事事件を扱っている。「離婚手続きがよくわかる本」、「よくわかる離婚相談」、「相続・贈与・遺言」監修(いずれも池田書店)
事務所名:柳原法律事務所
 
 
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