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不安にとらわれず"しなやかに"生きるススメ 「心の言葉は、ときに有害」だからどうする?

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  • 武藤 崇 同志社大学心理学部教授

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自分の考えにとらわれない、“しなやかな心”を手に入れて、毎日を健やかに過ごしましょう(写真: Fast&Slow / PIXTA)
心を病む人が多い現代社会において、しなやかな心を育て、自分らしく生きていくための新しい心理療法として注目されているのが「ACT(アクト、Acceptance and Commitment Therapyの略)」です。
ACTは「私たちを苦しめているのは、マインド(心の中の言葉)」である」という前提に立ち、心理的柔軟性、すなわち“しなやかな心”を持って、豊かな人生を送ろうと伝えます。
では“しなやかな心”はどうすれば手に入れられるのでしょうか?
日本におけるACT研究の第一人者で、「ACT Japan」の顧問(初代理事長)、武藤崇氏の新刊『ACT 不安・ストレスとうまくやるメンタルエクササイズ』から、その方法について一部を抜粋・編集しご紹介します。

目指したい“脱フュージョン”

フュージョンとは、何かと何かが溶けて混じり合い、一つになってしまったような状態をいいます。日本語に訳すと「融合」となります。

たとえば五円玉は、銅と亜鉛を混ぜ合わせてつくった真鍮(しんちゅう)という金属です。五円玉を見て「銅と亜鉛が混じっている」とは少しも思わず、「金色だから金かもしれない」などと思ってしまいます。これがフュージョンです。

同じように、私たちは私たちのマインド(心の中の言葉)とフュージョンしがちです。

例えば「私は太っている。だから彼に愛されるはずがない」というのも認知的なフュージョンです。太っていることと、愛されないことは別問題です。にもかかわらず、それが絶対的に正しいことだと信じて疑わない、それを「認知的フュージョン」といいます。

“しなやかな心”を作る方法その1「脱フュージョン」のポイント(イラスト:docco)

マインドさんはいろんなことをつぶやきますが、「○○が悪い」「○○のせいだ」「○○が怖くてしかたない」などブラックなつぶやきをする黒マインドさんには注意が必要です。

黒マインドさんの考えにフュージョンしてしまい、それを信じ切ってしまうと、ほかの方向から物事を考えることができなくなってしまうのです。

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