「インディ・ジョーンズ」誕生から42年の紆余曲折 最終シリーズ、スピルバーグは自ら監督を降板

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そもそもこのプロジェクトが生まれたのは、ルーカスとスピルバーグがそれぞれに休暇で訪れていたハワイ。ふたりは友人だったが、一緒に仕事をしたことはなかった。『1941』(1979)の撮影を終えたところだったスピルバーグは、ルーカスに「世界を駆け巡る冒険映画を作りたいんだよね。ジェームズ・ボンドのような」と言った。

スピルバーグに具体的な構想はなかったのだが、それを聞いたルーカスは、彼が以前から持っていた『The Adventure of Indiana Smith』の構想を話す。フィリップ・カウフマンと脚本を書き始めていたのだが、カウフマンが別のプロジェクトに取られて、そこで止まっていたものだ。

スピルバーグはそのアイデアを気に入り、ルーカスと、まだこの業界に入って1カ月だったローレンス・カスダンとの3人で、3日間かけてストーリーを話し合う。それをもとにカスダンが脚本を書くと、スピルバーグとルーカスは「まさにこれだ」と興奮した。

次の重要な問題は、このキャラクターを誰に演じさせるのかだ。いろいろな俳優を検討した揚げ句、ふたりはトム・セレックが良いだろうと合意。しかし、セレックはテレビドラマ『私立探偵マグナム』の主演にも決まっており、スケジュールの問題で、最終的に断念せざるをえなかった。

そんな中で、ルーカスから『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』(1980)の映像を見せてもらうと、スピルバーグは「ここにインディ・ジョーンズがいるじゃないか」と言ったのだ。

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル
宿敵を演じるのはマッツ・ミケルセン©2023 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved.

『アメリカン・グラフィティ』(1973)にもフォードを使ったルーカスは、自分の映画にまた同じ俳優を出すのを良しとしなかった。フォードにはハン・ソロのイメージがつきすぎたというのも懸念材料だ。しかし、良く考えれば考えるほど彼はぴったりかもしれないと思うようになり、フォードに声をかけてみると、彼も乗り気だった。

しかも、『スター・ウォーズ』では3本契約を結ぶのを嫌がり、その都度の契約だったのに、『インディ・ジョーンズ』に関しては、脚本を読むとすぐに承諾したのである。「僕たちは絶対に3本作ることになると確信したんだ。そこに疑問はなかった」と、フォードは2021年、「Empire」へのインタビューで振り返っている。

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