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民族意識には非合理な要素が含まれることを知る 佐藤優の情報術、91年ソ連クーデター事件簿⑭

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  • 佐藤 優 作家・元外務省主任分析官

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1988年秋に知り合ったとき、アゼルバイジャン代表部のアガエフ氏は、典型的なソビエト人だった。当然、ソ連共産党員籍を持っていた。ブレジネフ氏がソ連共産党書記長を務めていた70年代に、ソ連における民族問題は最終的に解決したと宣言した。

民族問題が存在しないのだから、この問題を担当する共産党と政府の部局も存在しない。しかしソ連はつねに二重構造になっており、ソ連科学アカデミーの民族学研究所(現在のロシア科学アカデミー民族学・人類学研究所)でひそかに民族問題の研究が続けられていた。

日本系沖縄人というアイデンティティー

ソ連の公式ドクトリンでは「形式においては民族的、内容においては社会主義的な」ソビエト人が誕生したとされた。88年秋から89年の夏期休暇に入る前まで、アガエフ氏は絵に描いたようなソビエト人だった。それが徐々にアゼリ(アゼルバイジャン)人としての民族意識を強めていった。

この過程は、それから15年くらい経って筆者に影響を与える。筆者は鈴木宗男事件に連座し、東京地方検察庁特別捜査部に逮捕され、東京拘置所の独房に512日間収容された。

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