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2%インフレより植田日銀新総裁が目指すべきKPI 信頼回復の要は政策以上にコミュニケーション

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  • 末廣 徹 大和証券 チーフエコノミスト

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国会の所信聴取は安全運転で通過した植田新総裁(写真・Bloomberg)

日本経済新聞とテレビ東京が2月24〜26日に行った世論調査によると、植田和男氏の日銀総裁起用を「評価する」という回答が48%、「評価しない」が18%、「いえない・わからない」が29%だった。

2013年の就任時に「評価する」が58%を占めた黒田東彦氏よりは評価が低いものの、植田氏の評価もかなり高いと言える。

他方、興味深いのが、日銀の金融緩和に関して「続けるべきだ」と「続けるべきではない」がいずれも39%で拮抗した点である(「いえない・わからない」は19%)。

質問の仕方で世論調査の結果は変わる

金融緩和の是非については、他の世論調査では聞き方によってブレがあることも確認されている。

例えば、「政府は、日銀の新しい総裁に経済学者の植田和男さんを起用することを決めました。日銀の金融緩和政策について、どう思いますか」という聞き方をした毎日新聞の調査(2月17~19日に実施)では「修正すべきだ」が45%だった。

一方、「大規模な金融緩和策を続けてきた日銀の黒田東彦総裁が4月に交代する。金融緩和は、景気を下支えするが、円安の要因になるとの指摘もある。新しい総裁が、今後も金融緩和を続けるべきだと思うか、見直すべきだと思うか」という聞き方をした産経新聞の調査(2月18~19日に実施)では、「見直すべき」が57.3%と高かった。

新聞の読者層の違いなどもあると考えられるが、「円安」といった文言がネガティブに捉えられた可能性がある。

いずれにせよ、金融政策の方向性については国民の間でも結論が出ていない状況である。白川方明前日銀総裁が政策判断において重要だったと語る「時代の空気」が10年前と大きく変わっていることは間違いなさそうだが、迷いがあるようだ。

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【世論の空気にどう向き合う】

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