中国「ゼロコロナ緩和」が製造業の景況感に冷水 「財新中国製造業PMI」は、5カ月連続で50割れ

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2022年12月の財新中国製造業PMIは、好不況の目安の50を5カ月連続で割り込んだ(図表作成:財新)

中国では政府の「ゼロコロナ」政策の緩和とともに、新型コロナウイルスの感染が急激に拡大し、製造業の景況感に多大な影響を及ぼしている。

1月3日に発表された2022年12月の財新中国製造業購買担当者指数(製造業PMI)は49.0と、前月(49.4)より0.4ポイント低下。好不況の判断の目安である50を5カ月連続で割り込んだ。

新型コロナの感染拡大が続くなか、2022年12月の製造業の事業活動は供給側と需要側の双方が弱含みで推移した。供給側の指標である生産指数は、前月比ではいくぶん改善したものの、拡大基調と縮小基調のボーダーラインを依然として下回っている。

一方、需要側の指標である新規受注指数は過去3カ月間の最低値を記録。グローバル景気の減速を受けて外需も低迷しており、新規輸出受注指数は同じく過去3カ月間の最低値に落ち込んだ。

供給と需要の同時縮小が続くなか、製造業の雇用に好転の兆しは見られない。2022年12月の雇用指数は長期平均値を大きく下回る水準で推移した。調査対象企業からは、新型コロナの影響で「生産量が減少しているうえ、仮に人手が足りなくても募集活動が難しい」との声が寄せられた。

先行きへの期待は顕著に改善

金属などの原材料価格の高止まりを背景に、製造業は引き続き強いコスト上昇圧力に直面している。しかし需要が低迷しているため、多くの企業が販売量を維持するために製品価格を引き下げているのが実態だ。販売価格の指標である工場出荷価格指数は、2022年12月もボーダーラインを下回って推移した。

本記事は「財新」の提供記事です

注目すべきなのは、ゼロコロナ政策の緩和をきっかけに、企業経営者の先行きに対する期待が顕著に改善したことだ。製造業の経営者の向こう12カ月間の楽観度を示す指数は、2022年3月以降の最高値を記録。多くの経営者が、中長期的な景気および需要の持ち直しに自信を深めている。

「政府の新型コロナ対策の調整による感染者急増は、短期的には製造業の生産活動や人々の日常生活に強いインパクトを与えている。感染状況のコントロールと経済・社会活動の継続をいかに効率的にバランスさせるか。それが改めて重要な課題になっている」。財新グループのシンクタンクCEBMのシニアエコノミストを務める王喆氏は、そうコメントした。

(財新記者:範浅蝉)
※原文の配信は1月3日

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