吉田カバンの売れ筋に見た仕事バッグの最新事情 通勤・国内出張増え、消費者は使い勝手も工夫

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例えば、ショルダーストラップ(肩当て部分)などに柔らかな触り心地の多機能素材「α GEL」を内蔵し、重さによってかかる圧力を分散することで、疲れやストレスが和らぐようにしました。さらに、心を落ち着かせる香りの“匂い袋”も付けました。京都の「香老舗 松栄堂」さんが調製したポーターオリジナルの香りです」

何かの「香りで癒やされる」という人もいるだろう。それがバッグに付いたのが目新しい。

ポーター センシズ バックパック
「ポーター センシズ バックパック」(6万2480円)の背負う部分。真ん中右側のロゴ付き小袋が“匂い袋”となっている(写真:吉田カバン)

店舗で選ぶ、ネットで選ぶ場合のポイントは?

今回も「実店舗・ネットそれぞれで選ぶ場合のポイント」を岡田さんに聞いてみた。

「当社は現在ECが好調ですが、海外のお客さまも戻ってきており、最近は店舗に買いに来られる方も増えました。例えば店なら、『バッグが軽いというけど、どれぐらい軽いのか?』『全身が映る鏡で、持った姿を見て選びたい』といったご要望にもお応えできます。

バッグの中に何を入れたいか、使用シーンはいつか、普段どんな服装で持つかなど、店員さんに具体的に相談するとよいでしょう」

ネットでの選び方については、どうだろう。

「例えば『リュック、パソコン、価格』などのキーワードから検索します。また『使うシーン』もイメージして調べたいですね。例えば保育園に通うお子さんを迎える日は、機能性重視の服装で荷物も増えるでしょうから、それに向くバッグを考えます。

吉田カバンの広報担当の岡田博之さん
ネットで探す場合は、用途や予算などを整理してから調べたい(写真:吉田カバン)

また、サイズや重さなどのスペックは表示されていますが、ネットでは具体的なイメージがつかめないかもしれません。当社のECでもこうしたご意見にできるだけ応えようと、商品だけでなく、バッグを持った時のイメージ画像を掲載するなどしています」

長い間、外出や外食など行動の自粛を強いられてきた。さまざまな規制が緩和されている現在、新年に向けてバッグを新調したい人がいるかもしれない。

高井 尚之 経済ジャーナリスト、経営コンサルタント

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たかい なおゆき / Naoyuki Takai

学生時代から在京スポーツ紙に連載を始める。卒業後、日本実業出版社の編集者、花王情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。「現象の裏にある本質を描く」をモットーに、「企業経営」「ビジネス現場とヒト」をテーマにした企画・執筆・講演多数。近著に『なぜ、人はスガキヤに行くとホッとするのか?』(プレジデント社)がある。

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