哲学に入門するには、およそ2500年の歴史を概観するように読むほうがイメージしやすい。そのため今回は、哲学史に沿って何をどう読むかについて紹介する。
まず哲学の始まりを考えるとき、ソクラテスやプラトンが何を問い、どう考えたのかを理解しよう。それに適した本として、プラトンの『パイドン』をお薦めしたい。これは、プラトンの師であるソクラテスが、獄中で最後に語る哲学の話(「イデア論」)である。

普遍的なイデア
哲学(フィロソフィア)という言葉は、「本当の知を愛する(求める)」という意味からきているが、ソクラテスの生涯がまさにその実践だった。彼は周りの有力者たちに、「○○とは何か」という問いを投げかけ、彼らの無知を暴き立て、死刑に処せられた。
このとき、「何か」に当たるものを、プラトンは「イデア」と呼んだ。これは、個々の具体的なものではなく、それらのものの本質である。
プラトンは、そうした「イデア」が存在するものと考えた。例えば犬のポチやシロは、外観が違っていても「犬」として共通である。この共通の普遍的なものを「イデア」と呼ぶわけである。プラトンによると、ポチやシロなどは「犬のイデア」を分有することで、「犬」と呼ばれる。プラトンはこうした普遍的なイデアが存在するものと考えている。
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