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コロナ禍で、日本の消費者はどう変わったのか あきらめたもの、それでも手放さなかったもの

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  • 松下 東子 株式会社野村総合研究所シニアプリンシパル

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コロナ禍によって失われた大切な2つのものが未来に与える影響とは(写真:bee/PIXTA)
コロナ禍により、消費者は「流行が収束するまでは」と多くのことをあきらめた。旅行に行くこと、大勢で集まって飲食すること、イベント、学校行事、数々の思い出づくり……。そしてその結果、未来に向けて長期的に失われてしまった大きなものが2つある。日本という国への信頼と、人との関わりだ。
『日本の消費者』シリーズを上梓した松下東子氏が、コロナ禍によって失われた大切な2つのものと、それが未来に与える影響について、時系列の大規模アンケート調査、野村総合研究所の「生活者1万人アンケート調査」をもとに解説する。

弱まった「日本を誇りに思う」意識

コロナ禍で失われた大切なもの、まず1つめは、国への信頼だ。「日本の国や国民を誇りに思う」という項目に対し、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と回答した人の割合は、2021年には全体で3%の減少、特に20~30代の若年層では5%以上の減少が見られた。

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「日本を誇りに思う」価値観は、過去の時系列推移では2009年から2012年にかけて、全体では11%高まり、特に30代以下の若年層で顕著に高まっていた。これには2011年3月に東北地方を中心に甚大な被害をもたらした東日本大震災が関係している。

未曾有の大災害からの復興に際し、草の根的なボランティア活動や寄付活動、節電、消費による応援などの取り組みなどによって、手に手を取り合って乗り越えてきた経験は、日本人としての自負を高めた。さらに、災害時の倫理的な行動に対して、世界各国から賞賛の声が高まったなど外部的な視点からも、日本という国や国民に対する肯定的な感情が強まったと考えられる。その後、2018年まで高い水準で安定していたが、直近2021年にかけては下がってしまったのだ。

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【コロナ禍でそぎ落とされたもの】

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