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銀行の見方を一変させたノーベル経済学賞の研究 1983年の論文で研究の方向性が完全に変わった

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FRB元議長のベン・バーナンキ氏の受賞ばかりが取り上げられたが、ほか2人の功績にも注目すべきだ(写真:Doug Mills/The New York Times)

10月10日、今年のノーベル経済学賞受賞者が発表された。受賞したのは3人、2006〜14年にFRB(米連邦準備制度理事会)議長を務めたベン・S・バーナンキ氏、米シカゴ大学ブース・スクール・オブ・ビジネスのダグラス・W・ダイアモンド教授、米ワシントン大学(セントルイス)オーリンビジネススクールのフィリップ・H・ディビッグ教授だ。

研究者としてのバーナンキ氏は、「大恐慌マニア」を自称するくらい、この分野の研究に力を入れてきた。授賞理由に挙げられた1983年の論文では、1930年代米国の大恐慌を実証的に分析し、その恐慌下で銀行の破綻が生産量の大幅な減少をもたらしたことを明らかにした。

同じく1983年、ダイアモンド氏とディビッグ氏は共著論文で社会における銀行の役割や、「銀行取り付け」が起こる仕組みとそれを回避する方法を説明する理論モデルを打ち立てた。

本稿ではそれらの研究の内容と貢献について解説する。キーワードは、「取り付け」「銀行のモニタリング代行機能」「金融危機」だ。

研究の世界を変えた理論

受賞者発表直後のメディア報道では、もともと有名なバーナンキ氏に注目が集まったが、ダイアモンド氏とディビッグ氏は、今回2人だけでの受賞となっていたとしてもおかしくない偉大な業績を上げた研究者だ。

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