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集団の協調性、コロナ予防対策にどう影響するか コミュニティーの規範、「社会関係資本」に注目

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  • 黒田 雄太 大阪公立大学大学院 経済学研究科 准教授

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(写真:Pressmaster/PIXTA)

各国政府はコロナ禍において、さまざまな対策を行ってきた。ワクチン普及前は、社会的距離を保つことが主要な感染抑制対策だったため、多くの国でロックダウンなどの行動制限が実施されたのは記憶に新しい。

感染症のような公衆衛生の問題が発生したとき、人々は自主的な予防を行い、政府の指示に従うだろう。個人の適切な予防行動は、他者の感染確率を下げることにもつながる。そこから生じる社会的な利益は個人の利益より大きいため、個人の予防行動は社会全体に利益をもたらす公共財的な側面を持つと考えられる。

ここで問題となるのは、新型コロナウイルスの感染時のリスクが人によって大きく異なることだ。誰もが重症化する病気であれば、ほとんどの人が高いレベルの予防行動を取るだろう。しかし無症状の人もいれば重症化する人もいるとなれば、「自分のための予防行動」の水準は人によって異なる。

このとき、各人が自分のための予防をするだけでは社会的に望ましいレベルの予防は実現困難になる。そこで、専門家や政策立案者は、人々に社会的な責任を訴えかけ、個人の行動に伴う社会的なコストを考慮するよう促した。

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