昭和34年発売「マーブルガム」令和も好調のワケ 製造の丸川製菓は、ガムひと筋で安定した業績
ガム市場は縮小、少子化も進むが…
多彩な商品ラインナップが魅力の丸川製菓。しかしガムひと筋でずっと順風満帆だったかというと、そうではないという。
「実はガム市場は近年、落ち込む一方となっています。日本チューインガム協会の統計によると、2004年のピーク時に1881億円あったガムの小売額は、2021年には755億円と、半分以下に縮小。グミやタブレットの台頭などで、ガムを食べる人はかなり減っているのです」
それに加えて、少子化により子どもの数も減っている。
「子どもの数が多かった平成初期と比べると、弊社の売り上げも減少しています。しかし、少子化が進むにつれて、業績も低下しているかというとそうではなく、横ばいを維持できている。これは子どもだけでなく、大人の方が懐かしさで弊社のガムを食べてくださるからでは、と考えています」
この推測に従い、家族で食べることを想定した商品も売り出した。
「袋入りやボトル入りのマーブルガムやフィリックスガムを販売したところ、大好評でした。これらは、ドライブ時の気分転換など、いろいろな用途で大人の方も食べてくださっているようです」
丸川製菓のガムは海外でも愛されている。
「世界の子どもにもおいしさを伝えるために、弊社では1959年からアメリカや南米、アジアなど世界中の国への輸出を開始しました。業績は好調で、今では約3割が海外での売り上げです」
日本と海外で味に違いは?
「海外向けのガムは、より甘く作られています。実は、日本のガムもかつては甘かったのですが、時の流れとともに、濃い甘みが好まれなくなりました。ですから、海外向けのガムを食べると、昔の日本のガムを味わうことができます」
中東で人気のクマのキャラクター
特にウケているのはどこ?
「サウジアラビアなどに代表される中東地域です。輸出歴がかなり長いので、日本と同じように『懐かしい味』として知られています。中でも中東向けのオリジナルのガムで採用されているクマのキャラクターは大人気で、そのグッズが制作されるほど。ちなみに、このキャラクターには正式な名前がなく、現地の方が勝手にさまざまな愛称をつけて呼んでいます。弊社の社員は『チャッピー』と呼ばれているのを聞いたそうです」
キャラクターが人気となるのは、もちろん日本も同じ。