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日本のスパイ活動を報道するロシアのテレビ局の意図 対日批判をしてこなかったロシア側が態度を変化させ始めた

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  • 佐藤 優 作家・元外務省主任分析官

ウクライナ情勢の緊張に伴い、米英とロシアの関係が緊迫している。その中で日本は、ロシアに対して比較的穏当な姿勢を取っている。首相官邸の情報収集・分析能力が高く、ウクライナのゼレンスキー政権にかなり問題があることを理解しているからだ。また、日本はロシアとの間で北方領土問題を抱えている。米国は、ロシアがウクライナに軍事侵攻した場合はロシアに対して大規模な経済制裁を行うと事前に警告しているが、この種の恫喝外交はロシアの態度を硬化させるだけで、北方領土交渉を頓挫させかねない。だから日本は制裁を警告するようなカードを切っていない。

クレムリン(ロシア大統領府)も日本政府のこのような態度を理解しており、対日批判をほとんど展開していなかった。ところがこの状況が変化しつつある。ロシアのNTV(独立テレビ)が2月10日深夜に日本のスパイ活動を非難する約30分の番組を放映した。タイトルは「ニ・フクリーリ」だ。直訳すると「たばこを吸うのはやめたんじゃないのか」となるが、「またやるのか」という意味で使われる。北方領土と千島列島をロシア語では「クリル諸島」と表現する。火山が多く煙が出ている諸島という意味だ。「クリーチ」(たばこを吸う)との掛け詞にしている。NTVはロシア政府系のガスプロム傘下のテレビ局で、政府の意向を反映した報道をすることが多い。

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