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脱炭素で高まるエネルギー価格の変動リスク 天然ガスと石炭は年初比2倍以上、史上最高を更新

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  • 中村 稔 東洋経済 編集委員

エネルギー価格の高騰が世界経済を揺さぶっている。天然ガスと石炭の価格は年初比2倍以上となり、史上最高を更新。原油もWTI先物価格が7年ぶりに1バレル当たり80ドルを突破している。

価格高騰の要因を整理すると、まず需要側では世界経済の回復に伴う化石燃料全般の需要拡大がある。猛暑など天候要因も影響した。今冬はラニーニャ現象で北半球の厳寒も予想される。天然ガスの高騰が激しいのは発電分野でのガスシフトによるが、そのことが石油・石炭への代替需要を高め、玉突き的な値上がりを招いた。

一方、供給側ではOPEC(石油輸出国機構)プラスが石油の増産加速を見送ったことが大きい。米国ではシェール企業が株主の圧力を受け、新規投資より配当を優先しており、リグ稼働の回復が鈍い。中国では安全規制や洪水の影響で石炭生産が減少。世界的な気候変動対策の強化で、化石燃料の増産投資は全般に抑制気味だ。こうした需給のミスマッチに加え、カネ余りを背景とした投機的取引も価格変動を増幅している。

世界銀行は10月下旬発表の「一次産品市場の見通し」で、在庫水準が極めて低く、供給制約が続くため、短期的に一段の価格急騰もありうると指摘。2021年のエネルギー価格は前年比80%超の高騰を見込む。22年も高水準(WTIで平均74ドル)が続くが、OPECプラスの増産など供給制約の緩和で後半には下落すると予想。23年はWTIで平均65ドルとみる。

価格高騰の影響について世銀は、世界的インフレへの大きな短期的リスクとなり、長期化すればエネルギー輸入国にとって経済成長の足かせになると警告。肥料、食料の価格高騰につながり、途上国で食料不足の懸念が強まるという。

長く険しい道のり

脱炭素へ向けた対策の強化は不変の世界的潮流だ。再生可能エネルギー拡大などにより、1次エネルギーに占める化石燃料のシェア低下が長期的に進む可能性は高い。

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