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衆院選「分配論争」への大いなる疑問 選挙で主張されたのは再分配政策

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これほど与野党が「分配」という言葉を連呼した選挙も珍しかったのではないか。ふたを開けてみれば、自民党が絶対安定多数の261議席を獲得した衆議院選挙。格差問題への対応に加え、経済成長への後押しのためにも労働への分配(賃金)が重要だとの認識は党派を超えて広がった。

しかし、兆円単位の現金給付や減税などの主張と相まって「分配」が叫ばれたため、あたかも国が国債を発行してお金を配ることまでもが分配であるかのような認識が広まってしまった。分配の持つ意味と、その政策的手法について情報を整理しておこう。

分配とは言うまでもなく「みんなで協力して作った生産物をみんなで分け合うこと」だ。分業社会の中では生産物は市場で売られてお金に換わり、それが賃金として家計に分配される。そして家計は分配された所得を元に市場で生産物(モノやサービス)を購入する。

ただ、ここでいう「みんな」の中には生産の元手を提供し企業を法的に所有する株主や経営者なども含まれるので、配当や再投資、経営者報酬といった形でも生産物は分配される。個々の分配比率は一般的に「貢献度合いに応じて」ということになるが、立場上の強弱や政治的な要素も強く、「何が正しいか」は論争的なテーマだ。

これに対して「再分配」というものもある。社会保障を専門とする慶応大学の権丈善一教授は「貢献原則に基づいて分配された所得を、家計の必要に応じた必要原則に基づいて、政府が修正するのが再分配制度だ」と言う。

例えば、医療や介護などのサービスは所得の大小に関係なくみんなにとって必要なものだ。「そうした基礎的消費部分については、市場で分配された所得の一部を社会保険料や税金の形で政府が徴収して再分配する」(権丈氏)。

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