東日本大震災や熊本地震、西日本豪雨など自然災害が相次ぐ中、個々の被災者に寄り添う形の生活再建支援策として「災害ケースマネジメント」の重要性が認識されるようになっている。
従来、被害を受けた家屋を再建するには被災者自身が役所に出向いて罹災(りさい)証明書を取得し、災害救助法に基づく住宅の応急修理制度の適用や被災者生活再建支援金の支給を自ら申請しなければならない。また生業の再建に必要なさまざまな支援も申請手続きが必要だ。
だが、支援策の存在を知らなかったり、被害の判定で軽微とされたりしたために制度の恩恵を受けられなかった人は少なくない。その結果として、制度の狭間に取り残される被災者が出てきている。
そこでボランティアや弁護士、税理士、建築士などの専門家に出番が回ってくる。個々の被災者の生活上の課題解決に向け、さまざまな専門家が連携し、本人に伴走しながら取り組む。状況の把握には、被災者宅を訪問して調査する「アウトリーチ」の手法が有効だ。
日本弁護士連合会は10月15日、「弁護士の使命に基づき、被災者の命と尊厳を守り抜く宣言」を採択した。その中の最重要テーマの1つとして災害ケースマネジメントの制度化を取り上げた。兵庫県弁護士会も「災害ケースマネジメントの制度化を求める会長声明」を10月21日に発表した。
多職種が連携して支援
筆者も最近、東日本大震災時に受けたダメージから立ち直れないまま、現在も生活苦が続いている60代の男性に出会い、災害ケースマネジメントの重要性を実感した。
震災直後から復旧工事に従事し、不眠不休が続いたある日、男性は自動車の運転中に気を失い、事故を起こした。そのことを理由に勤めていた会社から退職を迫られ、失業状態に陥った。その後、借金がかさみ税金も滞納するようになった。
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