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日鉄がトヨタを訴える時代 上下から対等へ

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日本製鉄が中国の大手鉄鋼メーカー、宝山鋼鉄とトヨタ自動車を特許侵害で訴えた。両社に各200億円の損害賠償を請求。トヨタには対象となる鋼板を使用した自動車の製造・販売の差し止めの仮処分を申し立てた。

日本企業が顧客を訴えることは珍しい。まして相手は日鉄にとって最重要顧客のトヨタである。前代未聞の行動に日鉄を駆り立てたのにはいくつかの理由がある。

まず、特許侵害の対象が高効率モーターに使われる電磁鋼板だったこと。日鉄は初代プリウス向けに電磁鋼板を提供してから、その性能を磨き上げトヨタのハイブリッド車(HV)戦略を支えてきた。

電磁鋼板は脱炭素を支えるキーテクノロジーとして、HVや電気自動車(EV)、さらには発電機などへの需要拡大が確実だ。この2年で日鉄は1040億円を投資して生産能力を増強している。ライバルである中国勢に特許侵害があれば見逃すわけにはいかない。

日鉄の国内生産能力の適正化が進展したことも訴訟の背景にある。粗鋼を造る高炉は2020年初の15基から足元で11基まで減った。25年3月末には高炉をもう1基休止する。顧客に弓引いて取引に悪影響が出ることを過度におそれずに済むようになった。

トヨタは「本来、材料メーカー同士で協議すべき事案。訴えられたことは大変遺憾。(宝山とは)取引締結前に他社の特許侵害がないことを確認のうえ、契約させていただいている」との声明を出した。長田准・執行役員は「(日鉄からの指摘を受けて)宝山に確認して特許侵害はないとの回答を得て、日鉄に伝えた。ユーザーのわれわれを訴えたことにビックリしている」と困惑を隠さない。日鉄は「特許侵害の事実があれば訴える権利はある」と筋論を展開する。

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