──総長就任から2年11カ月経ちましたが、「世界で輝くWASEDA」の実現に向けた取り組みの進捗は?
世界への道のりは6割くらい達成したという実感だ。とくに「たくましい知性」を鍛えるための教育環境は、ほぼ完成した。データや情報を扱う力、数学的思考力、日本語や英語で論理的に発信する力は、世界で普遍的に通用する。
「しなやかな感性」を育むためにいちばん効果的なのは留学すること。海外でまったく文化の違う人に囲まれて生活して、そこから日本を見る。ただ、2020年度はコロナ禍で留学生の送り出し、受け入れが止まってしまった。早稲田の加盟する環太平洋大学協会(APRU)がオンラインの学生交流ラウンジを開設してくれた。リアルとオンラインとの組み合わせが目下の課題だ。
さらに、「世界で輝くWASEDA」を実現するためには教員の採用も大事だ。就任以来、「自分を追い越すような人こそ雇ってください」と言っているが、これを完全に浸透させるにはあと2〜3年かかる。この価値観が早く共有できれば、世界に貢献できる人材を出せる。
──21年度入試で政治経済学部は数学が必須科目になりました。他学部にも広がりますか。
政治経済学部では、数学を含めた大学入学共通テストで基礎学力を見る。日本語や英語の長文を読み、自分なりの答えを論理的に導き出させる独自試験で、政治経済に必要な考え方を問う形式としたのが特徴だ。商学部などは独自のやり方を検討しているだろうし、可能性はあるだろう。ただ、全学部で必要ということにはならない。例えば文学部では芥川賞や直木賞を取るような卒業生が出るが、これは「頭ではなく心で考える」という世界で、これも重要だ。
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