中国が今直面している問題は、日本が1980年代に直面した課題に似通っている。
日本は第2次世界大戦後、復興のために多額の資金をインフラに投じた。その結果、飛躍的な経済成長をもたらした。だが、インフラ投資はいつか過剰になる。橋や道路、空港をいくら建設しても、いずれは生産的な投資ではなくなる。その結果、90年代以降の低成長につながったと考えられる。
中国も同様だ。今では各地にインフラが整っているが、かつては乏しかった。道路や橋、空港と公共投資を続けてきた。インフラが整っていない状況であれば、インフラ投資は生産的な投資といえる。その結果、90年代、2000年代の高成長につながった。
だが、日本と同じく、中国もいつかインフラが過剰となる。生産的な分野への投資はほぼ出尽くしているため、過剰投資の行き場は生産性の低い分野しか残されていない。かといって投資をやめられるかというとやめられない。投資こそ経済成長を支えるからだ。
例えば華北の中心都市である天津市。同地には「中国版マンハッタン」ともてはやされる金融街がある。だが実際に訪れてみると人はほとんどおらず、ビルは空室ばかり。金融地区としては機能していない。鉄道も同様だ。高速鉄道が小さな都市にも配備されている。
これらの過剰インフラへの公共投資は、経済成長にとってマイナスだ。生産性の低い分野に投資しても、経済はうまく成長しない。2000年代ごろから、中国は「悪い投資」のわなにはまっている。また過去の過剰投資の積み重ねにより中国の政府債務は急激に積み上がっている。90年代の日本と同じ状況といえるだろう。
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