株式市場で機関投資家などからジェンダーの多様性に厳しい視線が注がれている。日本企業はどう対応すべきか。元ゴールドマン・サックス証券副会長で「ウーマノミクス」の提唱者でもあるキャシー松井氏に聞いた。
──欧米のみならず日本の株式市場でも企業における女性の活躍度が重視されるようになりました。
世界的にESG(環境・社会・企業統治)投資の波が押し寄せ、ここ数年は海外の機関投資家などからの圧力が強まっている。
米資産運用会社のステート・ストリートやゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント、議決権行使助言会社のグラス・ルイスなどは、取締役に1人も女性がいない企業のトップに対し、自動的に反対票を投じることにしている。企業の元には、投資家からの「御社の取締役は全員男性ですが、女性の候補者は育っていますか?」といった問い合わせが殺到していると聞く。
──投資家の目的とは?
女性の登用を促すのが、単に「社会的に意義があること」だからではなく、競争力の高い企業に投資をするため、女性の活躍する企業を選別しようとしている。
というのも、取締役や管理職に占める女性の比率が高い企業ほど、収益性やリスク管理能力が高いことは、すでに多くの研究が明らかにしているからだ。
──出身のゴールドマン・サックス証券は、女性取締役のいない企業の上場支援はしないとCEOが宣言。話題を呼びました。
上場支援はゴールドマン・サックスの主力事業なので、CEOが自社の利益を損なう決断をしたかのように見えたかもしれない。だがこれも、上場支援ビジネスで長期的な競争優位性を保つうえで、理にかなった判断だった。
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