原料炭や自動車の不振などが重なり、業界トップであり続けた純利益が4位に沈んだ三菱商事。捲土重来をいかに図るのか。
──前2021年3月期決算は大幅な減益でした。
責任を重く受け止めている。巡航速度を純利益5000億円とすれば、これは当社にとってボトムの数字だ。市況などで好条件がそろえば9000億円まで上振れすることもありえる。現在は豪中関係の悪化による原料炭価格の低迷が大きく利益を圧迫している。
資源ショックで赤字となったのが16年3月期だ。その直後に社長に就任し、市況が悪化しても赤字にならないポートフォリオを目指してきた。減益とはいえその成果は出てきたと思っている。
──社長任期も残り1年ですが、目下の課題は。
当社では(食品産業、金属資源といった)グループが独立した経営をしている。そのため、どうしても横の連携をとりにくかった。しかし、地政学リスクへの対応やDXなどは横で連携して構想しないとうまくいかない。
全社としてのポートフォリオをどうアジャストするか、どう脱炭素を進めるか。全社一丸となって考えるという認識を植え付けることに注力しているし、今後もそれは継続すべきだと思う。
思った以上に組織の壁は厚かったが、対話を続けてきたことで社員の理解が進んできた。
電力に加えて地域に根差したサービスを提供する中部電力ミライズコネクト、NTTと食品流通をデジタル化するインダストリー・ワンなど、新しいビジネスが出てきている。それぞれ若手を中心にグループ横断で人材を集めた50人くらいのタスクフォースだ。リーダーへの抜擢人事も行っており、若手の活躍も期待している。
この記事は有料会員限定です
残り 728文字
