気候変動対策の機運が日増しに高まる中、脱炭素化の潮流はもはや避けられないものになっている。中でも商社が手がける石炭事業には環境団体や投資家などから強いプレッシャーがかかる。
伊藤忠商事は2021年4月、一般炭権益の約8割に相当するコロンビアのドラモンド炭鉱事業を売却。一般炭事業からの完全撤退に向けて対応を急いでいる。三菱商事や三井物産、丸紅はすでに撤退を完了。石炭火力発電についても事業撤退や契約非更改への動きを加速させている。
その一方、動きの遅い商社には厳しい目線が向けられる。足元でやり玉に挙がっているのが住友商事だ。
豪州のNGO(非政府組織)、マーケット・フォースは石炭関連事業の削減で後れを取っているとし、今年3月29日に定款変更を求める株主提案を住友商事に提出。石炭や石油、ガス事業関連資産の規模をパリ協定の目標に沿ったものにする事業戦略を毎年公表するように求めている。
これに対して、住友商事は5月7日に「気候変動問題に対する方針」の見直しを公表。すべての石炭火力発電事業から40年代後半には撤退するなど、従来方針よりも強化する姿勢を打ち出した。
方針に「抜け穴」
だが、マーケット・フォースの鈴木幸子氏は、この方針見直しに対して「さらなる改善が必要」だとし、株主提案を維持する考えを示す。その理由は「(住友商事の方針には)大きな抜け穴がある」(鈴木氏)ことだ。
同社は新規の石炭火力発電とEPC(設計・調達・工事の一括請負)事業には取り組まない方針を示しているが、これには例外規定がある。
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