人材争奪戦が激化するコンサルティング業界では、競合先から人材を引き抜く際、報酬を上げて勧誘することが珍しくない。そのためコンサルタントは移籍に際し、もらっている給料を大きく見せたがる。
「現給与はなるべく多く見せましょう。+100〜500のレンジで」
これは、2018年、当時デロイト トーマツ コンサルティング(DTC)に所属していたコンサル数人が交わしていたSMS上のやり取り。このメンバーはEYストラテジー・アンド・コンサルティング(EY)への移籍に際し、EY側に年収を実際より多く見せようと綿密に打ち合わせをしていた。
作戦は成功。「とんでもない額上がります」「皆さん2年後の税金にはお気をつけください笑。来年1年は今年の税率適用なのでウホウホですけど」といったメッセージを送り合い、EYに移籍した。
年間800人前後が入社して300人が辞めていくDTCにとって数人の移籍は大した問題ではないはず。しかしこの移籍は訴訟に発展した。
事の発端は18年4月、当時DTCの社長だった近藤聡氏がデロイトグループの代表候補となるも落選したこと。近藤氏は11月に、側近の國分俊史氏とともにDTCを自己都合退職、2人は翌19年1月ごろにEYに入社した。
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