推薦者|ニューラル CEO 夫馬賢治

気候変動は人類にとって最大の脅威だ。「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が2013年に発表した報告書によれば、地球温暖化は人間が排出する二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスが原因である確率が95%以上とされる。
同報告書は2100年の世界の気温について、「1985年から05年までの20年間の平均と比べ、最大で4.8度上昇する」と評価している。産業革命を起点にすると、5.4度の上昇を意味する。それ以前に、豪雨や干ばつ、熱波などが激甚化し、多くの人が生命や住まいを奪われかねない。破局的な事態を防ぐには、人間の活動から排出されるCO2を抜本的に削減しなければならない。「脱炭素化」が必要とされるゆえんだ。
脱炭素化への取り組みである「パリ協定」に世界各国が合意したのが15年12月。気温上昇を2度未満に抑えることが目標とされた。そして18年10月、IPCCは1.5度に抑えることで社会が受けるダメージをかなり小さくできるとの新たな報告書を発表。現在、各国はCO2排出の多い石炭火力発電の廃止や、あらゆる産業の構造転換に踏み出している。
脱炭素化の経済学的根拠
脱炭素化を進めるうえで注目されているのが、カーボンプライシング(炭素価格制度)と呼ばれる経済手法だ。CO2を多く排出する経済活動を、炭素税などの課税を通じて抑制させる。また、許容されるCO2排出総量を定めたうえで各企業に排出可能量を割り当てる仕組みもある。この排出量取引制度では、割当量以上に排出量を削減した企業は、その差分を、市場を通じて売却できる。
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