推薦者|アサヒグループホールディングス 取締役 谷村圭造

デジタルトランスフォーメーション(DX)とは何か。定義や概念はさまざまだが、私は「テクノロジーを使って変革し、よりよい社会をつくっていくこと」だと捉える。テクノロジー自体は、使いようによっては悪にもなる。そのためテクノロジーそのものよりも、DXによってどのような理想の社会を描くかが、最も重要だ。
その観点で参考になるのは『未来を実装する』という本だ。テクノロジーの進化による社会変革をどうするべきかが書かれている。最初は飛ばして、DXの社会実装の成功要素とされる「4つの原則」から読むのもよいだろう。
原則の1つが、達成したい理想である「インパクト」が大切だということだ。そのうえで組織や社会に受け入れてもらう「センスメイキング」などの要素も考慮するべきだ。これはDXに限らず、会社の組織内でも十分使えるフレームワークだろう。巻末にはツール集もあり、実践的に使える。
自分自身が会社のサステイナビリティーも担当しているからかもしれないが、DXとサステイナビリティーには通じるものがある。デジタル技術を使ってどのような社会にしていくかを、会社や組織だけでなく、社会や地域の一員として考えさせられる1冊だ。
コロナ禍で変革が加速
DXについてより大きな視点で捉えられるのは『〈インターネット〉の次に来るもの』。テクノロジーそのものの性質や、デジタルによる社会変革の流れが「シェアリング」「トラッキング」など12の特徴に分けて説明してあり、それぞれの流れが「不可避」だとしている。日本語版の発売当初には消化不良な点もあったが、今読み返すと、当時の著者の予想がいくつか現実化している。手元に置いておいて、このサービスはこの流れから出てきたのだな、などと見返し検証するのによい。
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