推薦者|大阪大学大学院 医学系研究科 教授 仲野 徹

この40年ほどはバイオサイエンスの時代で、いろんな薬が見つかるなど大きく進歩した。生命科学はすでに解明されていることも多く、今後40年が同じペースで進展するとは考えていない。
今後大きな展開があるとしたらがん免疫療法。治療薬オプジーボであっても効果があるのは2〜3割の患者さんで、まだ進歩の余地があるのではないか。老化長寿研究やゲノム編集は研究が進んでいて大きなインパクトがあるだろう。
老化研究自体は昔からあったが、怪しげなものが多かった。『LIFESPAN』は科学的なエビデンスを積み重ねて、老化について著した初めての本。世界最高峰の科学者が書いているという意味でも画期的な本だと思う。
「必ず老化を抑えることができる」というのは少し書きすぎという気もするが、ネズミの実験ではかなりのことが実現できている。気になるのは長寿が実現できた場合、認知機能も維持できるかどうか。アルツハイマー型の老化は、著者のデビッド・A・シンクレアがいうような老化のメカニズムとは異なり、神経細胞だけ老いていくという可能性がある。
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