不動産テックを武器に会社存続の危機から再建の足がかりをつかんだのは、4月に社名をRobot Home(ロボットホーム)に変えた旧TATERUだ。
スマートフォンアプリなどでオーナーに土地を仲介してアパート建築を請け負うマッチング事業で急成長し、2017年12月期には売上高670億円、最終利益39億円をたたき出した。だが、翌年8月、銀行に提出する顧客預金データ336件の水増し改ざんが発覚。国土交通省から1週間の業務停止命令を受けた。社外の特別調査委員会は、「営業目標を必達と捉えた営業幹部らのプレッシャーが招いた組織的な不正だった」と結論づけた。
「社員は歩合給欲しさに不正に手を染めた側面もあった」と、創業者で現ロボットホーム代表取締役の古木大咲氏はガバナンスの欠如が背景にあったと反省する。
歩合給は全面禁止
「シンガポールでの海外投資家とのミーティング中に、東京からうちの不祥事が放送された映像が送られてきた。その瞬間、次に何が起きるかがわかった。融資が厳しくなり、アパート建築の工事が止まる」(古木氏)。こうした不祥事の影響が尾を引き、19年12月期は145億円の最終赤字に転落した。
存続に黄色信号が点った旧TATERUだが、窮地を救ったのがIoT(モノのインターネット)技術を集約した「Residence kit」だった。
部屋の照明、テレビといった家電やスマートロック、エントランスのモニターなどがスマホとつながり、外出先でも家電の操作、訪問者の確認、鍵の開閉、侵入者の検知ができる。このアプリは現在、大手デベロッパーの分譲マンションなど約9500戸に導入されている。賃貸オーナー向けのResidence kitには内見の件数や修繕状況の確認、管理会社との連絡がチャットで行える機能もある。
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