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「“辞めろ"と言われたら、それが最高の花道だ」 鈴木会長インタビュー・後編

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本記事は『週刊東洋経済』(2016年10月8日号)の「スズキ おやじの引き際」に掲載したインタビューです。

 

──これまで38年間トップを続けてきて、今はどういう時期ですか。

一番の危機に瀕している。

スズキの創業は1920年です。50年に大争議をやり、75年に排ガス規制の対応で失敗した。大体25年の周期で危機が来ている。次の00年は俺が社長になったときだ、気をつけなきゃいかん、と思っていた。

実際、98年に軽自動車規格の変更というピンチがあった。安全性を高めるためにドアを分厚くしろ、と。大手メーカーは軽を潰すために、鉄板を内側に厚くすれば軽の寸法は変えないで済むので法律も変えなくていい、と主張した。

それで私は猛運動したんですよ。ドアを厚くするなら外へ広げてくださいと。それが功を奏し、規格が拡大してピンチを切り抜けた。ただ、次のピンチは25年に起きる可能性があった。

そしたら16年に危機が来た。9年早かった。時代の動きが速いので25年経たずに来ちゃったね。

時あたかも自動運転で、グーグルの手下になるかどうか、電気自動車かハイブリッドかという問題もある。この最大のピンチに、社長交代をしたからといって簡単にチームスズキに移管するのは無理です。

「楽隠居なんて、社会的使命を果たしていない」

──でも会長はもうCEOではない。もっとも、肩書なんて関係なく、ますます会長の力が強まっているという見方もありますが。

それは勉強不足ですよ。だから刺激を与えているんです。刺激に応えなければダメ。

──一歩引くつもりはない。

引くなら会社を辞めればいい。月給100万円くらいもらって、毎日がゴルフ。そのほうが僕は楽。だけど3兆5000億円までいった企業を、見て見ぬふりをして、自分は楽隠居なんて、そんなのは社会的な使命を果たしていない。

──会長の存在感はあまりに大きい。やはり一歩引いて周りを押し立てるべきでは。

なぜ下がる必要があるかね。

──では、さらに前に出る、と。

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