「1年で最大の書き入れ時である年末のタイミングで時短はきつい。すでに資金は底を突いており、40万円では瞬間的に蒸発してしまう。年を越せるか心配だ」
東京都が2020年11月28日から、酒を提供する飲食店などを対象に、営業時間を午後10時までに短縮する代わりに一律40万円を支給する「時短要請」を始めた。東京・銀座でバーを営む男性は冒頭のように苦悩を打ち明ける。
このバーのみならず、多くの中小・零細企業は、秋から年末にかけて不安な日々を過ごしている。
これまで政府は、持続化給付金などコロナ禍で苦境に陥った企業に対する支援策を相次いで打ち出してきた。金融機関も、政府の後押しを受けて返済猶予をはじめとする条件変更に応じたり、無利子無担保融資をしたりして資金繰りを支えてきた。そのため倒産件数は、当初いわれていたほどには増えず、一定の効果が出ている。
その間、企業側も対応を急いだ。徹底したコストダウンを進めたほか、社員の出向による人件費抑制にも乗り出した。例えばANAホールディングスは400人以上をスーパーの成城石井や家電量販店のノジマなどに出向させる。
しかし、それも限界を迎えつつある。JTBは国内外で6500人もの人員削減に踏み切る方針を発表。日立金属も3200人、レオパレス21も1000人など、多くの企業が大規模な人員削減に乗り出す構えで、21年は「大リストラ時代」幕開けの年となりそうだ。
倒産ラッシュ到来か
しかし、さらに深刻な事態に陥るとの見方も根強い。
ある信用調査会社の幹部は、「財政面から考えると、国がいつまで“ミルク補給”をしてくれるか不透明」とし、「年明けが1つのターニングポイント」と語る。
この幹部によれば、すでに外食業や小売業を中心に、いくつかの上場企業が水面下でスポンサー探しに奔走しているという。
この記事は有料会員限定です
残り 667文字
