「東京五輪を花道に」と考えていた選手は多い。そんな選手たちに対し、五輪の1年延期、そして2021年の開催も不透明な状況は、競技生活を続けるか否かの選択を迫ることになった。
リオ五輪のバドミントン女子ダブルスで金メダルを獲得した高橋礼華が「あと1年、気持ちを持ち続けられるか不安だった」と引退を表明。北京五輪で4位に入賞したトランポリンの外村哲也やロンドン五輪バレーボールで銅メダルの獲得に貢献した新鍋理沙らも延期を受けて引退表明した。
また、リオ五輪7人制ラグビーでキャプテンを務めた「ミスターセブンズ」こと、桑水流(くわずる)裕策も代表を離脱。19年のラグビーW杯で活躍した福岡堅樹も、医師になるための進学を優先し、東京五輪出場を断念している。
反対に五輪延期に合わせ、“延長戦”に臨む選手もいる。ただ課題は五輪に向けてどう気持ちを維持するかだ。
北京五輪のソフトボール金メダリストで38歳の上野由岐子にとって東京は事実上最後の五輪となる。ソフトボールは12年ぶりに正式種目に返り咲いたが、次のパリ五輪では再度の除外が決定しているからだ。
しかし五輪は延期となり、日本女子ソフトボールリーグも前半節が中止になってしまった。モチベーションの維持が難しい中、9月から始まったリーグの開幕戦では、4回6失点と振るわなかった。その後の試合でもサヨナラ本塁打を打たれるなど、ピリッとしない投球が続いた。
ただ、そこから修正できるのが上野の持ち味。決勝トーナメントでは2試合連続完封でチームを2連覇に導く。試合後、上野は「五輪を想定したピッチングができたことは収穫になった」と話した。日本のエースは再び21年へのスタートを切った。
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